作成日: 2025-12-08|更新日: 2025-12-08
目次
- 光回線が急に遅くなる現象はなぜ起きる?基本を押さえる
- 見落としやすい隠れ原因5つ
- 原因のチェック方法(素人でもできる手順)
- 原因別の即効改善策と注意点
- 改善しても遅い場合に考える外的要因と対処法
- まとめ・今日からできるチェックリスト
光回線が急に遅くなる現象はなぜ起きる?まず押さえるべき基本
光回線がある日だけ急に遅くなるのは、多くの家庭で発生する一般的なトラブルです。普段は快適に使えているのに、ある日突然ページの読み込みが遅くなったり、動画が頻繁に止まったりする——このような現象は、複数の要因が重なって起こることがほとんどです。
中でも厄介なのが「見落としやすい隠れ原因」。ネットワークの専門知識がなくても発生するため、原因を知らないまま対処を繰り返しても改善しないことがあります。まずは「なぜ遅くなるのか」をシンプルに理解し、次のチェックへ進みましょう。
見落としやすい“隠れ原因”5つ
速度低下で特に見落とされやすい原因は次の5つです。意外と基本的なところが多いので、ひとつずつ確認してみてください。
- ONU(光回線終端装置)の劣化・発熱 ONUやルーターは長時間稼働で発熱します。過熱が続くと性能が低下し、処理速度が落ちることがあります。
- LANケーブルの規格不足(古いCat5など) LANケーブルの規格が古いと、光回線の最大速度をボトルネックにしてしまいます。外見は同じでも性能が異なる場合があります。
- 回線自体の混雑(時間帯による輻輳) 夜間など特定時間に遅くなる場合は、地域や集合住宅で回線が混雑している可能性があります。WiFiだけでなく回線全体の輻輳が原因です。
- ルーターが自動で干渉しやすい周波数に接続している 2.4GHz帯は家電やBluetooth機器と干渉しやすく、速度低下に繋がりやすいです。機器が自動で2.4GHzを優先している場合は要注意。
- IPv4接続(IPv6未導入)で混雑ルートを通っている IPv4は混雑しやすい経路を通ることがあり、IPv6に切り替えるだけで速度が改善することがあります。プロバイダの対応状況を確認しましょう。
それぞれの原因のチェック方法(素人でもできる手順)
1. ONU・ルーターの発熱チェック
機器に触ってみて熱いと感じる場合は過負荷状態の可能性があります。電源を一度切り、10分ほど放置してから再起動するだけで改善するケースが多いです。
2. LANケーブル規格の確認
ケーブルの側面に「Cat5」「Cat5e」「Cat6」といった表記があります。Cat5は交換を推奨。Cat5e以上なら1Gbpsに対応していることが多いです。
3. 有線/無線の切り分け
WiFiだけが遅いのか、回線自体が遅いのか確認します。スマホのWiFiをオフにしてモバイル回線で速度を測る、またはPCで有線接続の速度を計測してください。どちらも遅ければ回線側の問題です。
4. 周波数帯(2.4GHz / 5GHz)の判別
ルーターに5GHz対応の機器がある場合は5GHzに接続してみてください。5GHzは速度が出やすい代わりに障害物に弱い特性があります。
5. IPv6の有効化確認
プロバイダのマイページや契約書でIPv6対応か確認。IPv6対応であれば、ルーター側の設定でIPv6を有効にするだけで改善することがあります。
原因別の即効性が高い改善策と注意点
1. ONU・ルーターを再起動(最優先)
まずは電源のオンオフ。メモリ解放や一時的な不具合の解消に非常に効果的です。
2. LANケーブルをCat6以上に交換
低コストで効果が大きい対処法です。特に古いケーブルを使っている場合は即交換を検討してください。
3. WiFiチャンネルの手動変更
ルーターの管理画面で「チャンネル自動」をオフにして、混雑していないチャンネルに固定すると安定することがあります。
4. IPv6接続への切り替え
プロバイダがIPv6に対応しているなら切り替えを検討。夜間の速度低下に強くなります。
5. ルーターの買い替え(使用期間が5年以上の場合)
古いルーターは処理性能が低く、最新の回線速度に追いつけない場合があります。特に複数デバイスを同時接続する家庭では効果が大きいです。
注意点
- 再起動やケーブル交換で改善しない場合は、外的要因を疑ってください。
- ルーターの設定変更は、変更前に現在の設定をメモしておくと安心です。
改善しても遅い場合に考える“外的要因”と最適な対処法
家庭内でできる対処をすべて試しても改善しない場合、建物やプロバイダ側の問題が原因である可能性があります。以下を確認してください。
マンション全体の回線が混雑している
集合住宅では一部の契約方式(VDSL等)だと、建物単位で帯域を分け合うため速度が出にくいです。戸建て向けの独立回線、またはマンションの光配線方式に変更できるかを確認しましょう。
プロバイダ側の混雑
同じ光回線でもプロバイダを変えるだけで回線の抜け道が変わり、速度が劇的に改善することがあります。プロバイダのサポートページや障害情報を確認してください。
配線方式が古い(VDSLなど)
VDSL方式だと物理的に100Mbps前後が上限になる場合があります。根本的に解決するには物件自体を変えるか、業者による配線改修が必要です。
地域単位の通信障害・メンテナンス
通信事業者の障害や定期メンテナンスの可能性もあります。障害情報はプロバイダや光回線事業者の公式サイトで確認してください。
まとめ:今日からできるチェックリスト
光回線の速度低下は、正しい原因を見つければ大半が改善します。まずは次の順でチェックしてみてください。
- ONU・ルーターの再起動を行う
- 機器が過熱していないか触って確認する
- LANケーブルの規格を確認、Cat6以上に交換する
- WiFiは5GHzに接続、チャンネルを手動で変える
- プロバイダのIPv6対応を確認して切り替える
- 上記で改善しない場合はプロバイダ・物件の配線方式を確認する
これで多くの速度トラブルは解消するはずです。もしそれでも解決しない場合は、プロバイダのサポートへ連絡するか、回線業者の乗り換えを検討してください。

コメント